こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
…わ、また空気が重くなった。というか向こうの皆さんが明らかにキレていらっしゃる。ダーリンたら相手にしなきゃいいのに、挑発するんだもんなぁ。

ダーリンといる限りケンカは避けて通れない道。いよいよ始まるのね…。


隠れながら携帯があるポケットの中に手を入れる。

隙を見て110番しなくちゃ。


「…女はよこさねぇってことだな」


真ん中にいた、金髪で本物のスーパーサイヤ人風の髪型の男が、おでこの血管が切れそうになりながら問いかける。


「こんな女、欲しけりゃいくらでもくれてやる」

「えっ!ちょっとダーリ…」

「俺に勝てたらな」


──!!!


「オラァ!!」

「死ねや!!」

「クソッタレが!!!」

「ここがてめぇの死に場所だ!!」


──ダーリンの一言を合図に、五人は一気に襲いかかる。


目の前で繰り広げられる、生々しい闘争。


わたしはダーリンが心配でしょうがないはずなのに、ダーリンのあまりのかっこよさに惚れ惚れしていた。


おっ、俺に勝てたらなとか!めっちゃ萌える!わたし、守られてる!ダーリンがわたしを守ってくれてる!!


やだ、お姫様にでもなった気分…。


「てめぇは俺と行くんだよ!!」

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