こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
「髪、下ろしてることで怖さが半減されるんだよきっと!」

「それに付き合ってる子がいるんだから、噂ほど怖い人じゃないでしょ!」

「噂通りの人なら誰も付き合えないよね、怖すぎて」

「あんなイケメンで怖くないなら、あたしも付き合いたいー!」

「逢川咲良って子、羨ましすぎ!」


……。


「…だそうですが、逢川咲良さん」

「どう思いますか、逢川咲良さん」

「ど、どうって言われましても…。え、深瀬くんが髪を下ろしてきたからイケメン度が上がったってこと?」


確かに普段がっつりキメてるスーパーサイヤ人風の髪型より、下ろしてる方がかっこよかったけど…。てことは、今日は下ろしたままなんだ。

珍しい…。


「プラス、彼でも普通に付き合ってる子がいるんだっていう安心感?よくわかんないけど。深瀬くん、髪下ろしてるんだ。わたしも見たいわ」

「皆怖くて深瀬くんの顔、ちゃんと見てなかったけど、よく見るとかっこよかった、って感じ?髪を下ろしてるなら、あの何でそんな傷が?!っていう痛々しい顔の傷も目立たないだろうし」

「な、なるほど」


しかしそんなもんであれほど皆が怯えていた人が人気者になるか?

単純すぎじゃないか?


それほどこの学校は平和ってことなんでしょうか。

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