こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
なぜわたしは軽くお説教を受けているのでしょうか…。

どうして二人のお怒りを買ってしまったのでしょうか…。


と、そんなこんなでお昼休みも終盤に差し掛かった頃、頭上から聞き覚えのある声が。


「はよ」

「あ!森野くん!」


─ん?森野?!


振り向くと、傷の手当てが施された顔の森野がいた。

昨日どれほどひどい目に遭ったか一目で痛感できる。


「何その顔!どうしたの?!」

「大丈夫?!」


事情を知らない二人は大騒ぎ。逆にわたしはどう声をかけたらいいかわからず、言葉を詰まらせていた。


ここでありがとうやごめんを言うわけにはいかないし、大丈夫?ってわたしが聞くのも気が引ける…。


「大丈夫大丈夫。こんなん何でもねーよ」

「何でもないわけないでしょ!」


見るからに痛々しい顔。なのに当の本人は笑っている。

それが余計に辛くさせる。


「ケンカでもしたの?」

「おー、ちょっとな。それより逢川、深瀬知らねぇ?」

「え…」
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