こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
「いつまで突っ立ってんだよ」

「ひゃ!!」


心臓がビクッと大きく跳ね上がる。


びびびびっくりした!誰よ誰よ!タイミング悪すぎ!


…って、この声は…。


後頭部から聞こえた声に、ゆっくりと振り返った。


「さっきから一人で何してんだよ」

「ふ、深瀬くん…!」


怪訝な顔をしている深瀬くん。

更に胸が爆発しそうになる。


さ、さっきからって、ずっと見られてた系ですか?恥ず…


「完全に不審者だな」


そう言って、深瀬くんは自らドアを開け病室に入る。

わたしも追いかける流れでそのまま入室してしまった。


「失礼な。不審者じゃないですよ。深瀬くんはどこに行ってたの?」


こ、声が若干震えてる。


自分を偽るのは得意なはずなのに、深瀬くんを前にするとうまくいかない。

というか深瀬くんのこの態度って…。


「再検査と煙草。医者の見解より治りが早ぇみてーだから、来月には退院できっかも」

「そうなの?!すごいね!さすがケンカ慣れしてる人は違う…」

「うるせぇよ」

「あは」
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