こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
なんて普通に話してるけど、これってもしかして…。


「それ、あいつからお前にだとよ」

「え?」


深瀬くんの視線の先には、テーブルに置かれていた白い箱。


「とりあえずの礼らしい」

「なに?これ。開けていい?あいつって誰?」


深瀬くんから返事を聞く前に颯爽と手をつけるわたし。

とにかく落ち着かない為、何かをしていたい。軽く挙動不審だわ。


「あいつはあいつだ!鈍い奴だな!」

「え?そんなこと言われても……わ!チョコレートケーキだ!しかもホールで!なにこれ、高級感ハンパない!めっちゃおいしそう!ん?わたしにケーキ?なんで?」

「だから礼だって言ってんだろうが!」

「礼?お礼をされるようなことなんて…」


…まさか。


え?

え?


まさかまさかまさか…!


「昨日、悪かったな。八つ当たりっつーか、ガキみてぇなこと言っちまって」


照れながら罰が悪そうに謝る深瀬くん。

これはもう確定でしょう!!


「このケーキ、深瀬くんのお母さんからだよね?!」

「やっと気づいたか」

「お母さんと仲直りできたの?!」

「はあ?!仲直り?!って近ぇよ!」
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