こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
「狂ってんな…。どんだけタチ悪ぃんだよ」


なんて言いながらも、俺は心の中で逢川の言葉を嬉しく感じていた。

逢川は俺がたった一つ求めていたものだと、確信でもできたからだろうか。


「ダーリン大好きだよ!」

「うっ、うるっせぇな!お前って女は、はしたねぇことを普通に言いやがって…!」

「なにがあったって離れませんからね!もう諦めた方がいいと思うよ?」

「…お前なら地獄の果てまで追いかけてきそうだな。怖ぇよ」

「あったり前でしょ!ダーリン好きーっ!」

「だっ、黙れ!消えろ!」


──この時間は外の世界から遮断され、時が止まっているかのようだった。


あまりにも温かく、心地よく、自然と顔が緩んでしまう、ひだまりのような時間。

もしかすると今までで一番素直でいられたかもしれない。

俺自身優しい気持ちでいられたし、心はいい意味での色々な感情で満ち溢れていた。


できることならずっとこうしていたい。

そんな馬鹿なことを考えてしまうくらい、俺は逢川と二人でいる時間に安らぎを覚えていた。

こういうのも、俗に言う「幸せ」なんだろうか。


─逢川といつまでも一緒にいたいと、心から思った。
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