こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
「馬鹿だな」

「禁句、忘れたのかよ」

「─っ、深瀬とこうして話すの久しぶりで忘れてたわ。親ネタは禁句だったよな。わり」


黄色に相反して、赤と緑は呆れかえる。


…親ネタは禁句?


どういうこと?


「お前らに付き合ってる程暇じゃねんだよ」


イラつき全開の深瀬くん。相当ご立腹のようで、一人歩みを進めていく。


「あ~あ、行っちまったよ」

「逆鱗に触れたもんな」

「何が暇じゃねぇだよ。ケンカする為に街中徘徊してるだけじゃねぇか」


緑と黄色が深瀬くんの背中を見ながら遠い目をする中、赤は大きくため息をつく。


「……つーか、未だに禁句なんだな。親ネタ」

「しゃーねーだろ。あいつにはあいつの事情ってのがあんだからよ」

「でも前よりマシだ。本気じゃなかったぞ、今の」

「…少しはあいつの中で変わってきてるってことか」

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