完璧な彼は、溺愛ダーリン

「甘えても構わないでしょ？」

「えっと、その」

「ま、変な姿を見られて失望されたくないし、今日はもう強いお酒はやめておくから。安心して」

「そうしてもらえるとありがたいです」


葛木さんに甘えられたら、心臓が完璧もたないと思う。


「マスター。ジントニックください。三石さんは酔っ払うとどうなるの？」


マスターに注文してから、葛木さんは私の方を見た。
頬杖をつき優しく目を細めていた。


「私ですか？」

「うん」

「なんか、ニコニコしているらしいです」

「何それ。めちゃめちゃ可愛いじゃん」

「……思ったんですけど……葛木さん、可愛いとか連発し過ぎです」

「そう？　常に可愛いって思っているからね。あ。もちろん今も」

「……また」


ドキドキさせないで欲しい。本当に胸がいっぱいなのに。
無邪気に話されて反応に困る。


「とか、お酒が入ったから何回も言えるのかも。
結構ドキドキしているんだよ。これでも」

「そうなんですか！？　見えません」

「じゃあ、隠せているのかな」


葛木さんはくしゃりと笑うと、ピースサインを作った。
顔がほんのり赤い気がする。
これは、もしかしたら……酔っ払ってきているのかもしれない。