完璧な彼は、溺愛ダーリン
「おはようございまーす。今の二人は見学?」
「おはよ。うん。見学」
「へえ。俺、右」
「はっ?」
品定めするように顎に手を添えた加藤君が、そうぼそっと言った。
思わず素っ頓狂な声が出てしまった。
右、って事は野々村さんか。
加藤君から見てもカッコいいと思うんだなあ。
わかる気がするけど。
「で、三石は?」
「で、って」
「好みはどっち?」
「それ、なんか加藤君がそっちの気あるみたいだよ?」
「ばっ!? ねーよ!」
加藤君は顔を少しだけ赤くしながら否定すると、盛大に溜め息を吐いた。
「俺は至ってノーマルだし。知ってんだろ」
「知ってるけど、動揺し過ぎ。ふふ、あははっ」
「笑うなよ……」
照れ臭そうに口を尖らせた彼は項垂れた。
あの慌てっぷりは笑わずにはいられない。