完璧な彼は、溺愛ダーリン
ずっと云いたかった事。
土曜日。
私はお休みの望くんにわざわざ出てきてもらって会っていた。
話すのはもちろん、あの事だ。
前回はスーツだったけど、今日は私服。
首の詰まった黒の半そでサマーニットに、膝に少しダメージの入ったジーンズ。
腕時計と、数珠のブレスレット。
ラフだけど、凄く似合っている。
「睦実ちゃん、こんにちは」
「望くん。こんにちは」
彼が笑顔を見せてくれたから、私も同じように笑って見せた。
無理しているのはわかったけど。それは言わない。
「喫茶店でもいい? 少し賑やかな方がいいよね」
「うん。大丈夫」
「ここから近くにあるからそこ行こうか」
「わかった」
案内する望くんに付いて行く。到着するまでお互い無言だった。
何を話したらいいのか。
喫茶店に入った私と望くんは店員に促されて席に着く。
先に沈黙を破ったのは望くんだった。