完璧な彼は、溺愛ダーリン

「あ……、えっと何飲む?」


そう言ってメニューを広げ手渡してくれた。
コーヒーや、軽食、ランチセットが書かれた薄いメニュー表。


私は「ありがとう」と言って受け取ると、メニューを確認する。
それから「紅茶かな」と言ってからメニューを望くんの方へ向けた。


「ありがと。俺はコーヒー。あ、すみません」


店員さんがちょうど通ったから望くんが呼び止めて、私の分も一緒に注文してくれた。
再び訪れる沈黙。

今度は私が切り出す。


「望くん、今日はお休みなのに来てくれてありがとう」


そう言ってぺこりと頭を下げる私に、望くんは少しだけ微笑み首を振った。


「ちゃんと睦実ちゃんの口から聞きたかったから気にしないで」

「……後、こないだは突然いなくなってごめんなさい」

「それも、睦実ちゃんが悪いわけじゃないでしょ?」


ははって掠れた笑いを零した望くん。
もっと怒ってもいいと思うのに、笑ってくれる彼はなんて優しいのだろうか。

ぎゅっと洋服の裾を握り締める。
どう話そうか。取り繕おうとしても無駄だ。
それなら全て正直に話すしかない。
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