完璧な彼は、溺愛ダーリン

それって望くんよりも葛木さんがいいと言っているのと同じだ。
ああ、もう。どうしてこうも私は人の気持ちを考えられないのだろうか。


私が自己嫌悪に陥っていると、望くんが椅子に座り直してコーヒーを一口飲む。
それを静かに戻してから、口を開いた。


「そんな気にしないで大丈夫だから。俺は、ほら。彼氏になれたら嬉しいなって程度だし。
だから、ちゃんと話してくれてありがとう」

「……望くん」


無理して笑っているように見えるのは気のせいじゃないと思う。
だけど、そうして無理してくれている彼の優しさを無駄にしちゃいけないと思った。


「日下とは話した?」

「うん。話した」

「そっか。じゃあ、その彼と頑張れよ」

「……うん。ありがとう」

「朗報、待っているわ」

「え? また連絡してもいいの?」


もう、今日で縁を切られると思っていたから私は驚いた声を出す。
私が尋ねると望くんは苦笑しながら答えた。
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