完璧な彼は、溺愛ダーリン
「……どうしよう」
私はそう呟いてから、持て余したそのチケットを仕方なく財布の中にしまった。
行かなくてもいいって言ってたし。
それに、土曜日ジムの仕事が入っている。早番だから夕方にはあがるけど。
時間も何も聞いていないし、待ち合わせ場所だってわからない。
そんな状態で行けるわけがない。
そう心の中で無理矢理自分を納得させた。
それから休憩室に戻り、ナポリタンを温めて食べ始める。
だけど、箸が進まない。
このナポリタン大好きなのに。
さっきはただただ驚いただけで、ドキドキとかそういうのはなかった。
栞にバレて何か思われる事が嫌だって気持ちの方が強かった。
残すのも勿体なくて、無理矢理口に運んで完食した。
休憩時間が終わって受付に戻ると、栞がすぐさま私に詰め寄った。
「どういう事!!」
「えっ」
もうバレたの?受付にいたから一緒にいるところ、見られていないよね?
栞が私の肩をがしっと掴む。
真剣な顔で栞が口を開いた。