完璧な彼は、溺愛ダーリン
「スパダリといつの間に仲良くなったの!」
「えっと……?」
「さっき、帰る時三石さんは?って聞かれたんだから!何で何で何で!」
栞はぶんぶんっと私の肩を前後に揺らす。
さっきのが見られたわけじゃないんだ。
私は揺られながら内心ホッとした。
「わかんないよ~!だって、私全然話した事ないよ?」
「知ってるよ!だから聞いてるのに」
「そんな事言われても」
「まさか睦実を狙っているとか」
「そ、そんなまさか」
デートって言われたけど。
でも、違うよね。……違う、よね。
……あんな素敵な人だ。変に自惚れたくないけど。
無自覚で言っているなら相当タチが悪い。
だからといって、確信犯で言っているのも困る。
「睦実はスパダリ興味ないもんね?」
「えっ、えっと、うん!」
「だよね。よかった。今度、スパダリをお誘いしてみよっかな」
ホッとした様に胸を撫で下ろす栞。
だから、私は尋ねてみた。
「栞、本気で葛木さんの事好きなの?」