完璧な彼は、溺愛ダーリン
「私もです」
ぎゅっと彼の手を握り返す。抱かれる覚悟も確かにして来たけど。
でも、そうやって言ってくれる彼が好きで仕方ない。
これが幸せでなければ何なのだろうか。
「よかった」
ホッとしたように笑う葛木さんに、私も安堵する。
だから、私は話を切り替えるようにテレビに視線を移して尋ねた。
「この映画ってどんな内容なんですか?」
「うーん、簡単に言っちゃうと宇宙人と人間が理解し合う物語って感じかなあ」
「へえ。葛木さんって結構映画とか見るんですか?」
「そうだね。映画は好きだよ。専らアクションとかSFだけど」
「そうなんですね。オススメあったら教えてください。見てみたいです」
「うん。一緒に見ようか」
「はいっ」
笑顔で頷くと、私は彼と一緒に映画を観た。
普段アクションなんて見ないけど、すぐにその世界観に引き込まれて行った。
エンドロールが流れ始めてから、私はほうっと息をつく。