完璧な彼は、溺愛ダーリン


「おはよ~、ねえ聞いて」

「おはよ。うん。何何、どうしたの?」


受付まで来た私に食い気味で栞が話しかけて来る。
何事だ。何があった。


「実はさ、加藤に告白されたんだよね」

「えっ!?」


加藤君に?


「私さ、本気で睦実を好きだと思っていたから凄いびっくりしたんだけど」

「いや、そんな素振りなかったから」

「そう? だって出かけても私に気がある感じなかったし」

「私、そもそも加藤君と出かけた事一度しかないよ」

「え。それまじ」

「まじ」


出かけたのは、あの栞の誕生日プレゼントの下見に行った時ぐらい。
連絡先を一応知ってはいるけど、連絡を取り合う事はないし。


そういえば、栞に前にも加藤君が私を好きみたいな事言われた気がする。
首を捻っていると、栞の髪の毛に見覚えのないヘアピンを見つけた。


そして、そのヘアピンをどこかで見た事があった。
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