完璧な彼は、溺愛ダーリン


「栞、そのヘアピンって。もしかしてさ」

「あ。バレた? これ、加藤からもらった誕プレ」

「やっぱり!?」


下見に行ったお店にそんなのがあったような気がしていた。
一人で本当に買いに行ったんだ。

可愛いな、加藤君。

可愛らしいお店の中を加藤君が一人で物色している姿を想像すると、少し面白い。


「今まで考えた事もなかったけどさ、ちょっとだけ前向きに考えてみようかなって思った」


栞は気恥ずかしそうに言うと、視線を伏せる。
私が「本当に?」と尋ねるとコクリと頷く。


今すぐに加藤君に伝えたいぐらいに、嬉しい。
私がニヤニヤしていると、栞がそれはそうとと切り出した。


「それで、睦実は? スパダリに連絡したの?」

「え、えっと」

「最近スパダリ来てなかったし、心配していたんだよ」

「……実は付き合う事になった」

「え!?」


栞が驚いた声を出した後、ズイっと体を前に出して私の腕を掴んだ。
それから、腕をぶんぶんっと上下に振ると

「おめでとう~~~~~!!!」

と、言って顔をくしゃくしゃにして喜んでくれた。
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