完璧な彼は、溺愛ダーリン
優柔不断。

そして、やって来た土曜日。
今日栞はいない。代わりに受付にいるのは加藤君。


「おはよう、加藤君。珍しいよね、加藤君がこの時間いるの」

「おはよー。そうそう。ちょっと金貯めたくて」

「何?何か買う予定?」

「秘密」


加藤君は含んだ笑みを見せると、ニカっと笑った。
土日はきっかり休んでいるイメージだったから、今日加藤君を見るのはかなりレアだ。


「そっかー、そうだよね。買いたいのとかあるよね」

「って、ゲームとかじゃないからな?」

「そうなの?てっきり新作のゲームが出るのかと」

「ちげえし。欲しいけども」

「欲しいんかいっ」

「そりゃあね」


その時、加藤君が社員さんに呼ばれた。
どうやら、今日は加藤君は入会受付と書類整理担当らしい。


一日体験のお客様を案内したり、館内見学の受け付けも私達の仕事。
入会手続きや、館内の案内は結構時間を取られたりする。


チラシを配布したり、キャンペーンをしている時は入会希望者が増えて混雑したりする。
そんな時は事務所奥で事務処理をしている社員さんも出てきて対応していた。


「それじゃ、ちょっとよろしく。忙しそうならそっち行くから」


加藤君は私にそう告げると、すぐ近くの椅子に座って書類を整理し始めた。
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