完璧な彼は、溺愛ダーリン

笑顔でこちらに近付いてきた葛木さんは、

「俺の彼女と少し距離が近いと思います」

と、加藤君に向かって言った。


「か、葛木さん!?」


それに動揺したのは私だ。
そんな敵意剥き出しにしなくても。


「何の事ですかね」


さらっと笑顔で言った加藤君。
加藤君に好きな相手がいる事は葛木さんも知っている筈なのに。


「三石さん。気を付けて。俺以外に可愛い顔しない事」

「してません!」

「ほら。今もしてる」


反論したにも関わらず真顔で言う葛木さんに、加藤君が呆れた声を出した。


「……葛木さん、彼女バカだ」
< 181 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop