完璧な彼は、溺愛ダーリン
私はぐしゃりと握り潰す事も出来ず、だからといって電話をかける事も出来ず、ただそれをカバンの中へとしまった。
行かないって決めたんだから、破り捨てればいいのに。
財布の中には結局破り捨てられなかった映画のチケット。
誰かにあげてしまえばよかった。
折角のチケットが無駄になってしまう。
どっちつかずの自分の態度。
どうしたいのだろう。
栞を応援したいのに、葛木さんをバッサリと切り捨てる事も出来ないまま。
私が何がしたいのか、わからないな。
はあっと溜め息をつくと、私は加藤君が待っているからと急いで女子ロッカーを後にした。