完璧な彼は、溺愛ダーリン

「付き合わせたお礼に飯でも奢ってやる」

「え?そんな見てただけだし。いいよ、ちゃんと払う」

「いいからいいから」

「そう?じゃあ、お言葉に甘えて」


私達は並んで歩きながら周りを見渡した。どこかにいい飲食店がないか探す。
お互い特に食べたいモノはないから歩いていて気になるとこがあればそこに入るでいいか、で話しがついた。


「あ、あそこ美味しそう」

「パスタ屋さん?」

「うん。その隣のカフェ、オシャレ!」


そのカフェは海外にあるような外観で、レンガ調の壁にガラス張りで店内が見渡せる。
外にはいくつかのテーブルと、椅子。
黒で統一されていて、それもオシャレだ。


お店の名前。なんて読むんだろう。
……あれ。あの名前。どっかで見た記憶。


思い出そうとしていると、突然加藤君がぐいっと腕を引いた。


「え?えっ」


驚いて彼を見るが、「行きたい店、思い出した」と言って笑うだけ。
掴んだ手を離す様子はないらしい。
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