完璧な彼は、溺愛ダーリン
「……っ、はあ」
まだ息が上がっている。
苦しい。苦しい。でも、この苦しさの原因がどっちなのかわからない。
一気に自宅まで走って来た息苦しさからなのか。
それとも、あの手を振りほどいたからなのか。
お風呂に入っちゃおう。
明日も仕事だ。休みはまだ先。
日曜だから、きっと葛木さんは来ないだろう。
一日会わなければ、少しは気持ちが落ち着く筈。
でも、明日は栞がいる。
動揺しないようにしなきゃ。
さっき葛木さんに掴まれた部分にそっと触れた。
幾分落ち着いたけど、それでも、まだドキドキと心臓は言っている。
無理矢理にでも他の人を探してみよう。
栞に明日その話しでもしてみよっと。
面白がって誰か紹介してくれそうだし。
そう決めた私は何も考えたくなくて、早々に眠りに就く事を決めた。