完璧な彼は、溺愛ダーリン
翌日、ジムに到着した私は着替えてから受付へと向かう。
既に栞は来ていて、私に気付くと笑顔で「おはよー」と言ってきた。
普段と変わらない栞の様子に、ホッとする。
「おはよ、早いね」
「うん。今日は早いの~。書類頼まれちゃって」
「そっか、大変だね」
「棚卸も近いじゃん?」
「ああ、そうだね。憂鬱」
「ね~。まあ、まだここはマシだよ。私ホームセンターでバイトした事あるけど、あれまじで地獄」
その時の事を思い出しているのか、苦い顔をする栞。
「考えるだけで怖いや」
あの種類と量。考えただけで眩暈がしそうだ。
「だから、ちょっと睦実に受付頼んでもいいかな?
入会と一緒に書類やっちゃうからさ。忙しくなったら入るし」
「わかった、おっけー」
「それに、今日はスパダリ来ないだろうし~」
栞が口を尖らせながら口にした言葉に、ドキッと心臓が大きく跳ねた。
「そ、そっか、今日日曜だ」
「ええ?嫌だ、曜日感覚なくなってるの?」
あははって笑う栞。私も笑うけど、うまく笑えているかわからない。
オープンの準備を終えた私と栞は、受付に並んで立つとオープンを待った。
オープンや、ナイト会員などの時間の切り替わりは一気に人がやってくるから、いつも二人体制。
「今度さ」