完璧な彼は、溺愛ダーリン
栞がパソコンのキーボードを叩きながら、口を開く。
私は首を傾げながら頷いた。
「スパダリをデートに誘ってみようかと思って」
「……え」
照れ臭そうにそう呟く栞。
「断られるかもしれないけど、ここで会うだけじゃ何も進まないもんね」
「……」
“どうしてももう一歩進みたかったけど、中々きっかけがなかったから”
思い出される葛木さんの言葉。
好きだから、もっと欲しくなる。
好きだから、もっと会いたいし、もっと声が聞きたい。
そして、好きだから好きになってもらいたい。
そんなの、当たり前の欲求だ。
「そっか、頑張るんだよ」
「うん。振られたら慰めてね」
「スイーツバイキングでも行こうか」
「いいね」
そこまで話をして、時間になったから私達はお客さんを案内し始めた。
一気に受付をすると、二人して息をつく。