完璧な彼は、溺愛ダーリン
「落ち着いたね」
「ね、栞」
「ん?どうしたの?」
「……あのさ、実は私、出会い探したいと思っててさ」
「えっ」
予想以上に大きな声で驚く栞は、目を真ん丸にして私の顔を覗き込む。
「本当に?」
「うん。ちょっと栞見てたら好きな人とか欲しいな~って」
「わー、応援する!どんな人がいいの?」
「真面目な人がいいなあ」
「真面目かあ!じゃあさ、一個上なんだけど、私の知り合いと会ってみない?」
「私でいいのかな?」
「当たり前じゃん!実は前に一緒に写ってる写真見て、紹介してくれって言われてたんだよね」
「本当に?」
「うん。喜ぶぞ~」
嬉しそうにはしゃぐ栞。
それを見て、私はホッとした。
これでいいんだ。葛木さんから誘われた事は夢だったって思えばいい。
ハッキリ拒否したし、私を諦めたらもしかしたらその気持ちが栞に向くかもしれない。