完璧な彼は、溺愛ダーリン


「どうなの」

「す、好きとかないよ」

「ふうん。もし好きなら、栞から離して欲しいなって思って」

「え?」


栞から?
え。まさか?


「それって? もしかして、加藤君って栞の事……」

「……まあ、そういう事」

「嘘でしょ。本当に?」

「……栞には黙ってて」

「当たり前じゃん」


私は何度もコクコクと頭を縦に振りながら答えた。
加藤君は栞を好きだったんだ。

冗談で栞でしょって聞いていたけど、本気だとは思っていなかった。
てっきり大学の子なのかとばかり。


「ってわけで、昨日のは誕生日プレゼントを選びたくて付き合ってもらったわけでしたー」

「え。プレゼント?」

「そう。もうすぐだろ?栞の誕生日」

「そうだった。私も何か考えないとだなあ」



栞の誕生日は今月末だ。
まだ二週間程ある。選ぶ余裕はあった。

梅雨の時期に生まれるなんて色々最悪。だから、髪の毛うねるんだ。
とか、栞は顔を顰めながら意味不明な事を言っていた気がする。

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