完璧な彼は、溺愛ダーリン
「正直ね、三石と葛木さんがくっつけばいいって思っているから」
「は」
突然の彼の発言に私は目を真ん丸にさせる。
くっつけばいい、だって?
「栞、結構ガチっぽいじゃん。だからさ、めっちゃイヤな奴で幻滅したらいいのになー。とか思ってたんだけど。
そんな事ないし。寧ろ、いいヤツでびびった」
「……」
本当にそうなんだ。百年の恋も冷めるぐらいの、最低な人だったらよかったのに。
「惚れるのも、納得出来るっていうか。俺じゃ完璧勝てるとこないっていうか」
「……加藤君」
「ま、それでも諦めるつもりはないからそこだけは俺も負けないかも」
「ははっ。加藤君だっていい男だよ」
「葛木さんのおまけみたいに言うなよ」
「そんな事ないです~」
あははって顔を見合わせて二人で笑った。
それから、加藤君は折角だからジムにも寄って行くとロッカーの鍵を受け取って男子更衣室へと向かった。