完璧な彼は、溺愛ダーリン
加藤君に栞が葛木さんをデートに誘うって事、伝えなかったけどよかったかな。
どうなるかは栞の結果次第。
葛木さんと栞がうまくいけば、凄く嬉しい。
それは本心だ。ただ、加藤君ともうまくいって欲しい。
加藤君と栞はとてもお似合いだって思うから。
別に葛木さんと不釣り合いなわけじゃないけど。
栞は加藤君の前だと自然な気がする。
それから少しして栞がお客さんを連れて戻って来た。
入会の書類などを渡して、案内し終わると私も頭を下げた。
お客さんが見えなくなると、私の元へゆっくり近付く栞。
「加藤に会った」
「うん、来てた」
「本当に筋肉バカだよね」
「はは、そうだね」
ケラケラと楽しそうに笑う栞に、私は栞に会いたいからだと思うよって心の中で突っ込んだ。
その日の業務は何事もなく終わり、私は栞に先に上がると告げてロッカーへと向かった。
栞はロングみたいだから、夜の八時まで。
私は早番だから十七時まで。
残業は滅多にない。私が派遣って事もあるんだろうけど。
栞はよく残っているし、書類関連も大変そうだ。
その内教えられるかもなあ。
見学案内とかはするんだけど、基本的に受付から動かない。
受付より時間が経つのは早そうだけど、ずっと説明するのに喋りっぱなしだから疲れそうだ。