完璧な彼は、溺愛ダーリン
隙間に入り込むのは。
その日、帰宅した私は精神的にクタクタだった。
タイミングいいのか悪いのかわからないけれど、私が小休憩行っている間に葛木さんは帰宅したらしい。
顔を合わせずに済んだのは良かったけど。
今日は自分自身に嫌気がさした一日だったな。
どうして私が彼の誘いを断ったから、彼も断るだなんて思ったのだろう。
“迷惑なら……この手、振りほどいて”
私はその言葉通り、その手を振りほどいたんだ。
今更、何を考えていたのだろう。
葛木さんが栞とうまくいくのなら、嬉しい事じゃないか。
……加藤君には申し訳ないけど。
それに、新しい恋を探そうって望さんを紹介して貰ったんだ。
会ってみて素敵な人だったなら、恋に落ちる可能性だってあるんだから。
そう思った私はぱんっと頬を叩くと、お風呂へと向かった。
お風呂に入って、体を洗い流してスッキリしてしまおう!
数十分でお風呂から出た私は鼻歌なんかうたいながら、ご機嫌でテーブルの前に座った。
化粧水などの保湿をしていると、ケイタイが震える。
あ、マナー解除忘れてた。
ケイタイを手にして、届いたメールを確認する。
反対の手では乳液を肌に塗っていた。
片手で操作しながらメールの内容を見て、動いていた手がぴたりと止まる。