完璧な彼は、溺愛ダーリン
「それはもう辞めちゃったバイトの子とかも一緒。スパダリに話しかけられたって好きになる子多かったから」
「……なるほど」
加藤君はそれをずっと客観的に見ていたからわかるという事か。
「それは別に女だけじゃなくてな。俺にだってそうだし。社員さんにだってそうだし。
だからこそ、三石に何も話しかけないのは逆に違和感だったから」
「私、ありがとうぐらいしか言われていない気がする」
「だろ?この人、わかりやっすって思ったよ」
クックッと笑いながら加藤君は
「とか、言って気付いたの一か月前ぐらいだけどさ」
と、言った。
「加藤君って色々鋭いよね」
「別に鋭くないよ。スパダリのだって、俺が栞の事好きだから気付いたようなもんだし。
何かボロ出さねえかなって注目してただけだから」
「ボロって……」
「だって、胡散臭いだろ。あんなイケメンで鼻にかけてなくて、高収入だぞ?
部屋が汚いぐらいのギャップじゃ驚けねえよ」
「まあ、確かに」
部屋が汚かったら逆にホッとするな。
……あれだけピシっとしているし、なさそうだけど。
清潔感しかない。