完璧な彼は、溺愛ダーリン


「は、あははっ、葛木さん駄々っ子ですか」

「本音を言えば暴れてやりたいけど、迷惑かかりそうだからしないでおく。
そんなガキ臭いって三石さんに思われたくないし」

「このやり取りで思われてるかもしれないですよ」


すぐさま加藤君が突っ込むと、葛木さんは面喰った顔をしてから気まずそうに視線を伏せた。


「……色々撤回しておいて」

「ははは」


加藤君はどうやらツボらしく、ずっと笑っている。
少し恥ずかしそうにしながら葛木さんは、私達に手を振るとそそくさと更衣室へと向かった。


「やっべ。俺の中で結構キャラ崩壊」

「加藤君、笑いすぎ」

「だって。あれは笑う。はー面白い。葛木さんってヤキモチとか妬くんだな」

「どう反応したらいいかわかんないよ……」

「素直に喜んでおけば? あんなイケメンに嫉妬されるぐらい好きだと思われてんだから」

「……」


それが出来たら苦労していないんだよ、加藤君。

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