完璧な彼は、溺愛ダーリン
「はい、鍵」
「お疲れ様です」
「それじゃ、三石さん」
「はい。ありがとうございました」
ニコニコとする葛木さんに私は頭を下げる。
加藤君はさっきの葛木さんを思い出してか、ニヤニヤしていたけど。
仕事が終わり、帰宅した私。
帰宅している間はもちろん望くんと連絡を取り合っていた。
会える事を伝えると、とても喜んでくれていたし。
明後日休みと言ったら、望くんの仕事終わりにどこかで食事でもしようとなった。
【会えるの、楽しみにしてる。
明日たくさん残業して、仕事残さない様にするわ。】
そのメールを見て、私は自然と笑みを零す。
【頑張ってね!私はぶらぶら洋服でも見ているよ!】
それから明日も早いからとメールを早々に終わらせて、私は眠りに就いた。
望くんとメールしていたお陰か、昨日みたいに葛木さんの事、栞の事を考えずに済んだ。
大丈夫だ。
このままならきっと。
葛木さんの事を、意識しないで済む。
明後日。
楽しみだな。
私は目を閉じながら、ぽつりとそう思った。