完璧な彼は、溺愛ダーリン


それからコーヒーを飲み切った私は、店を出て荷物を配送にして貰う。
待ち合わせ場所は駅からすぐの広場。

今、待ち合わせ時間の十分前。
同じように誰かを待っている人。
友達同士で話ししていたり、駅へ向かう人がいてここは賑やかだ。


そこから見える大きな液晶モニターに私は目を向ける。
ぼんやりと流れる映像を眺めていた。


不思議と緊張、はしていない。言うならば、昨日の方がしていた。
もっとするかと思っていた。

後十分もせずに望くんと会うんだ。


ずっとメールしていたからかな。
ドキドキしないと言えば嘘になるけど、落ち着いていると思う。


その時、ケイタイが震えた。
望くんから電話だ。

何かあった時の為に。と、事前に電話番号を交換しておいた。


「もしもし」

『もしもし!睦実ちゃんかな?』


思っていた通り、優しい声だ。
低すぎなくて聞き取りやすい。

少しだけ息が切れている、ような気がする。
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