完璧な彼は、溺愛ダーリン
「仕事帰りに通っている人とか凄いなって思っちゃうかなあ」
「結構いるの?」
「うん。いるいる」
「そうなんだ。俺も鍛えようかなあ」
「仕事とかしていると運動不足になるよね」
「そうそう、付き合いでお酒飲むし、将来が心配」
なんて言って、望くんはおどけてみせた。
「お腹ぽっこりしちゃうかもね」
「そうなの、それが今のワタシの悩みなの」
「あはは」
声を高くして女の人の声真似をしながら、望くんが頬に手をあてる。
その言い方とか、姿がおかしくて私は暫く笑っていた。
それから料理が次々に運ばれてきて、良い感じにお酒も進んで行く。
「はあ、もう食べられない」
「俺も。めっちゃ食った」
「ね。美味し過ぎた」
「星いくつ?」
「文句なし、五つ!」
「はは、そりゃよかった」
本音言えば、残っている料理も全て食べたいぐらい。
だけど、流石にもう食べられない。限界だ。
デザートだって食べられないと思う。
ワンピースで来てよかった。
デニムとか。スカートにしてたら苦しかったと思うし。