完璧な彼は、溺愛ダーリン
「あまり酔っ払ってない?」
「ううん、酔ってるよ。でも、気分がいい感じなだけかな」
「あはは。だからさっきからニコニコしてるんだ」
「え、ニコニコしてる?」
「うん」
は、恥ずかしい。もしかしてずっとそうだったのかな。
ちょっとずつ酔っ払ってきて、気分良かったけどさ。
「酔っ払ってもあまり顔に出ない方だと思ってたんだけど」
「確かに、赤くなったりはしてないけどね」
「そうなんだ。初めて知った」
そう言われて顔が熱くなって来た気がする。
パタパタと手で顔を仰ぐ。
「はは、それじゃもうそろそろ出ようか。もう少し一緒にいたいけど、明日俺も睦実ちゃんも仕事だしね」
「うん。望くん、朝早いもんね」
「明日行けば休みだから頑張れるかな。睦実ちゃんには土日関係ないし、大変だね」
「でも、平日休みだと人が少なくて悪い事ばかりではないよ」
「あー、確かに。土日はここら辺歩くのすら大変だもんなあ」
「うん。電車も混むもんね」
そう言いながら私と望くんはレジへと向かう。
が、伝票だけ置くと望くんはそのまま外へと出ようとする。
私は慌てて後ろ姿に声をかけた。
「お会計は?」
「とっくに済ませました~」
振り向いた望くんがニカっと白い歯を出して笑う。
「え!? いつ!?」
全然気付かなかったよ!?
驚きで口をパクパクとしていると、望くんは首を捻りながら答えた。