結婚したくてなにが悪い?!

皆んなが手伝いに来てくれてから、1時間が経ち諦めの声が上がり始めたその時「あった!」と声が上がった。

「これじゃないですか?」

ハウスキーパー仲間の下田さんが私に厚みのある書類封筒を手渡した。

「間違いない! これだ!」

皆んなに有難うとお礼を言い、私は頭を下げた。
すると皆んなは、仲間だからお礼なんてと言ってくれ、見つかって良かったと、皆んなが喜んでくれる。そんな仲間達を見て嬉しく、胸が熱くなる。

平田マリを見れば涙を流していた。彼女もホテルマンとしてのミスに気づき、自分を責めさいなんでいたのだろう。

「マリちゃん、泣くのは後! 早くこれを長谷部様に届けないと?」

私達は再び皆んなにお礼を言って、長谷部様の元へ急いだ。
長谷部様に中身を改めて頂き、間違いないと聞いてホッとした。

「長谷部様。 この度は私共のミスで、大変なご迷惑ご心配をお掛け致しました事、心よりお詫び申しあげます。 今後このような事の無い様に致します。申し訳ありませんでした。」と、平田マリと、ふたりで頭を下げ部屋を後にした。




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