結婚したくてなにが悪い?!
オリエンテーションが終ると、講師であった私達は3日間の連休が貰える。
「お疲れ様でした。」
今年も、何人かの脱落者は出たが、無事に終わることが出来た。帰りも大田さんの車で送って貰い、彼のマンションまで帰ってきた。
「お疲れさん!」
「大田さん お茶でも飲んでいかれますか?」
「じゃ、少し休ませて貰うか?」
玄関のドアを開けると借家とは言え懐かしく思う。
何ヵ月も留守にしてた訳じゃないのに、それだけこの部屋に、私が馴染んでると言うことだろう。
「んーやっぱり、家が良いですね?」と、両腕をあげて伸びをする。
仕事といえど、2週間の缶詰状態。
そのうえ生意気なガキの相手で疲労困憊だ。
私でさえ疲れきっているのに、太田さんは始めての参加。慣れない仕事に、そして二時間もの運転だ。
さぞ疲れているだろう。
「そうだな? やっぱり家は落ち着くな?」
疲れた様子の太田さんへお茶を淹れ、そして二人ソファーに座ってお茶を啜り、ほっこりする。
「やっぱり日本茶は落ち着くな?」
「ホントですね?」
「俺たちまるで老夫婦だな?」
老夫婦か…
私も一生を伴に出来る、そんな人といつか巡り会えるのかな…?
湯飲みから上がる湯気を眺めてると、隣に座る大田さんの頭が私の肩へ倒れてきた。
「流石に大田さんも疲れたよね?」
そっと彼の手から湯飲みを受け取り、起こさないように暫くそのままにしておく事にした。