結婚したくてなにが悪い？！

女子会

ここ数年、私のこの連休に、仲の良い友達と女子会を行う事が恒例になっている。
今朝、ランチをご馳走すると由美から連絡があり、カフェで待ち合わせをしていた。

女子会の前に会いたいなんて…
何かあったのだろうか？
でも、私も話があったから丁度良かった。

「由美からのお誘いって珍しいじゃない？」
「うん…」
「…何かあった？」

恥ずかしそうにもにょもにょ…と口ごもる由美にイラッとする。

「ハッキリしろ！」
「実は…仕事辞めようと思ってて…」
「えっ？ なんで？」
「・・・」
「なんかあったの？」
「実は彼が海外へ行くことになって…ついて来てほしいって…」

彼って合コンで知り合った弁護士の人だよね？
付き合いだして、そんなに経ってないよね？

「それって、結婚するってこと？」
「うん…」
「そっか…おめでとうって言わなきゃね？」
「恭子は反対？」
「違う違う！ ただ、寂しいなぁって思ってね？」
由美が結婚するのは嬉しい。ただ、同期で、なんでも話せた由美が居なくなるのは、寂しい。

「そう言えば、恭子移動するんでしょ？ 生田さんから聞いたよ？」
「うん…今までと、全く違うから、ちょっと不安で…由美が居なくなると思うとね？ 相談相手がさ？」

今迄、由美にはホントに世話になった。同期ということもあり、話もし易かったし、色々相談に乗ってもらった。どんなに勇気付けられ、助けられた事か…

「私、直情的な恭子が好きだよ？」
「直情的？ 私が？」
え？

「直情的って、私が子供ぽいってこと…？」
「子供ぽいっとは、ちょっと違うけど、損得考えず、直情的に動ける恭子だから、バトラーの話が来たんじゃない？ 私は恭子に向いてると思うよ？ 絶対に受けるべきだよ？」

勿論、正式に辞令がおりれば、異動しなくてはいけない。それが会社員と言うものだ。

「でも、突っ走るだけじゃ…バドラーっていつでも沈着冷静じゃないと務まらないと思う。じゃないと、お客様にご迷惑掛けてしまうもの…」
「それが分かってる恭子なら、大丈夫じゃないかな？ 多少突っ走るところあっても、それはお客様の為を思っての事でしょう？」
「…うん」

ホテルマンはどの部署においても、いつもお客様が快適に過ごせるように動いてる。それがホテルマンの仕事であり、誇りだと私は思っている。

「だから、恭子は大丈夫だって！」
「ありがとう…由美に言われると出来る気がしてきた」
「よし、頑張れ！」

本当の私は…
寂しがり屋で、泣き虫。
そして、意に沿わない事をさせられるのは死ぬほど嫌い。まるで子供だ。
由美が言う通りかもしれない。

でも失敗して、後悔したとしても、誰のせいにもしない為、自分の意思で決める。

今までそうして生きてきた。
これからもそうして生きていく。