結婚したくてなにが悪い?!
「人はそれぞれ違う生き物だよ? 私とあんたの考え方が違うように、智美って子とあんたも違う。亭主や義母との考え方が違って当たり前じゃん? もし、それが堪えられないなら、別れれば良いじゃん?」
「そんな簡単なものじゃないですよ? 乳飲み子抱えてどう生きていくんですか!?」と声を荒げる優華へ「人間本気になれば、どうとでも生きていけるでしょ?」と、諭す様に宣美は言う。
「そりゃー私なんかと違って、宣美さんみたいに、胸を張れる立派な仕事持ってれば良いですけど?」
「あんた、私の何を知ってるの? 優華は自分の仕事に胸張れないの? なら、そんな仕事辞めたら?」
「宣美言い過ぎ!」
「どうして?
毎日辛くて泣いてる母親見て、育つ子が幸せなの?
片親で育てられた子供は幸せになれない?
そんなの傲慢な人の考え方だよ!
スーパーのレジうちでも、駐車場の警備員でも良いじゃん!
国からの補助もあるから、それなりには暮らせるじゃない?
貧しくても笑って暮らせる方が、子供だって幸せだと私は思うけど?」