結婚したくてなにが悪い?!
宣美には父親が居ない。理由は聞いてないが、大学も国の補助金制度を使ったと聞いてる。それを知ってる私達には説得力がある。
「まぁさー、結婚する時は自分で決めたんだから、離婚するかどうかも、自分で決めれば良いんじゃない? 他人の私達が心配することじゃないでしょ?」と、五木が言う。
そう。
他人が出来る事は、たかがしれてる。
でも、心配する祐華ちゃんの気持ちも分かる。
「祐華ちゃんは心配なんだよね? で、何も出来ない自分が腹立たしいんでしょ?
だったら、これからも、彼女の話し相手になってあげてさ? 時間が合うときは、子供達と一緒に遊びに行ってあげたら? 小さい子二人連れて映画も観に行けないだろうし、ましてや、自分の服なんて買いになんて行けないでしょ?
外に出かけるだけでも、少しは気が晴れるんじゃないかな、その彼女も?」
「そうそう!実家に行くとかなんとか言って、私達の飲み会に連れてきな? 私達みんなで子守してやるからさ!
そんで離婚決断したときは、住むところも、仕事も私が世話してあげるから、その時は言いなよ?」
冷たい言い方する宣美も、本当は祐華ちゃんの気持ちを分かって言ってるんだよね?
「この中では宣美が一番顔広いから、任せて良いと思うよ?」
「うっ…皆さんありがとうございます。宣美さん…冷たいのか優しいのかどっちですか? わたし…めっちゃ嬉しいです!」
宣美の言葉に涙する祐華ちゃん。
「泣く暇があったら、とんぺい焼きとビール注文してこい!」
「もぅ…宣美さん、人使い荒いんだからー。 でも好きですよ!チュッ」
祐華ちゃんは宣美に投げキッスをして行った。それを宣美は "キモッ" と言いながらも嬉しそうに笑ってる。
「祐華ちゃんホント良い子だよね?」
「でしょ? たまにワケわかんないこと言うけど、優しい子だよ!」と梨華は言う。
うん。私もそう思う。