結婚したくてなにが悪い?!
女子会の日はいつも宣美の家に泊めてもらう。
「ねぇ?この鞄邪魔じゃない?」
宣美は玄関にバカでかいスーツケースを置いてる。いつでも海外に飛べるようにだそうだ。
その行動力には、先日私もお世話になった。
「たまに酔って帰ってくると、つまづいて転ぶわ!」と笑い「でも、置いとかないと不安なんだよね?」と、言う。
「それ病気だね?」
「自分でもそう思う。どうする? 先にシャワーする? 湯船に入りたかったら、湯入れるよ?」
「んーシャワーで良いや! 今朝も入ったから。」
「なになに? 休みの日に朝から風呂入ったの? なにやら、今夜は楽しい話が聞けそうね?」
「な、何もないよ! 先シャワー借りるね?」
ヤバイヤバイ…
つい口滑らしちゃった。
これ以上側に居ると余計なこと話しそうで、そそくさとバスルームへと逃げた。
(ガチャ!)
シャワーを浴びてると、直ぐに宣美も入ってきた。
「えーもう入ってきたの? シャワーだから直ぐ出るのに…」
「恭子の綺麗な体見たくて…」
「宣美だって綺麗じゃん? 胸の形も綺麗だし…」
「私は恭子の体の方が好きだよ?」
宣美の柔らかい掌が、肩から背中、そして腰へと下りていく。
こんな会話していても私達は同性が好きな訳じゃない。
「ホント良い体してるよね? 顔も綺麗なんだからモデルやれば良いのに? 今度私の企画に出ない?」
「出ません!」
「チェッ! あっ!こんなとこにキスマーク!」
「えっ!?嘘っ!」
「なんだなんだ? 今は相手居ないって言ってなかったか?」
しまった…カマかけられた…?
「先出るね?」
「うん。適当に始めといて?」
濡れた髪にタオルを巻いて宣美のパジャマを借り着る。
テーブルには、既に宣美お手製の野菜チップスが用意されてあった。
宣美は料理は苦手らしいが、これだけはレンチンだからと作ってくれる。
「これこれ、美味しいだよね!」
レンコンチップスを1つつまんで、冷蔵庫からビールを出す。まるで自分の部屋のごとく寛ぐ私。
そして、いつもの定位置である、ベットを背にクッションを抱えて座り、チップスをツマミにビールを煽る。
「あれビール? ワイン有るよ?」
「うん。今日はビールで良いや」
宣美はワインとグラスを2つ持ってきて私の隣に座る。
「このワイン貰い物だけど、良いものらしいよ?」
「キクさんから?」
「そう」
「じゃ、ゴチになろう?」