結婚したくてなにが悪い?!
「若い頃…」 いやまだ若いつもりだけど…
「結婚するなら、優しくて思いやりがあって…でも優柔不断じゃなくて、仕事が出来て家庭を大事にしてくれる人。…年末年始は海外で過ごして、年収800万以上のイケメンじゃないとイヤ!…とかバカな事いっててさ?」
よく言えたわ…自分のレベル棚に上げて?
「そうそう! そこそこ謙虚に言ってたから笑えるよね?」と宣美が笑う。
「マジ何様だって言ってやりたいわ…あの頃の私に…」
「ホントだよ!」と言いながら、宣美はワインを注ぐ。
「それがいつからか、同居なし年収400万以上、タバコ吸わなくて、優しくて子供好き。一緒に居て面白いイケメン!…になって…
でも今は…イケメンとか面白い人とかそんな条件はどうでも良くて、
朝… "おはよう" って言って、温かいご飯を一緒に食べて、その日合った事やくだらない話が出来て…
思ってる事言って喧嘩しても最後には笑いあえて…
寝るときは "おやすみ" って言える…
側に居て疲れない人が良い…」
いつもはハイスペックな人を捕まえてなんて、言っていても、そんな事は無理だと自分がよく分かっているのだ。
「それが一番贅沢な条件じゃない?」と宣美は言う。
「そうかも知れないね…?」
子供の頃は思ってる事言って、喧嘩して真の友達になった。
大人になるにつれて自然と身に付く…
甘いだけじゃなく、辛さも苦さも…我慢や妥協はホント多い。
「でも大人になってしんどいなぁって思うこともホント多いけど、楽しみも増えたよね?」と言うと、同時に「「一番はお酒の美味しさだね!」」と言って顔見合わせ笑う。
「そうそう仕事でイヤなこと有ってもお酒呑んで忘れられるもんね? お酒サイコー! さぁ今夜は朝まで飲むぞ!」