結婚したくてなにが悪い?!

翌日、真野君と真野君の父親である、真野様とがロビーに降りて来た時、二人からお礼を言われた。

「深田さん、この度はいろいろお世話になり、ありがとうございました。母もきっと喜んでると思います。そして僕、じゃなかった、わたしも良い勉強になりました。」
「うん。親孝行出来て良かったね?」
「はい。でも、どうして母の事が?」

真野君からの真珠婚式のプレゼントだと言うのに、真野君は予約を一人分しか入れてなかった。確かな事は分からないけど、もしかしたら奥様は亡くなられているのではと思った。

だから、コック長にお願いして急きょ二人分、奥様の分の料理も、ルームサービス係である、真野君に運ばせたのだ。

「経験かな?」とちょっとどや顔してみた。

「またのお越しをお待ちしております。」
真野君と一緒に真野様をお見送りした後、私は持ち場に戻った。

「大田さん昨日は失礼な事言ってすいませんでした。お客様が求めてることをいち早く察しろと言いたかったんですよね?」
「はあ? なんの事? 俺はただ、あんたが言う良い男見つけて幸せな結婚出来たらと、思っただけだけど?」

はあぁぁぁ!?
何この男!
ちょっと尊敬したじゃん!
私のこの気持ち返せ!

でも、良いですよ?
憎まれ口叩いても、貴方がお客様を大事にしてる事は知ってますから?




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