結婚したくてなにが悪い?!

冗談じゃないわよ!
大田さんはなに考えてるの!?

『ガチャ!ドン!バタン!』

私は怒り狂ったように、事務所のドアを開けた。
「大田さん!生田さん!お話があります!」

尋常じゃない私の態度に事務所に居たみんなが驚いていた。

「えっ!? あっ…深田さん奥で話聞くから…」
私の態度に驚いていた生田さんは、なにかを察したのか、私を奥の部屋へと連れて入った。
その場に居なかった大田さんを、事務所の誰かが呼んでくれた様で、大田さんは直ぐに姿を表した。

「何事だ?」
「何事だ?じゃないですよ!? 総師の息子だったら、どんなワガママ言っても許されるんですか⁉︎
総師も総師ですよ!
凄い人だと思ってたけど、ただの親バカじゃないですか!」
「深田さん、落ち着いて…」
「生田さん! あんなチャラ男をここに置いて良いんですか!?」

宥めようとする生田さんにも私は食ってかかった。

「いくらテスト合格したと言っても、実技のみの合格であって、ホテルマンとして合格したわけじゃ無いでしょ!? 私は絶対許さない! あのチャラ男をここで働かせると言うなら、私をクビにしてからにしてください!」

困り果てた生田さんの代わりに、大田さんが口を開いた。

「親バカだろうと、会社のトップである人が決めたことだ。嫌なら、クビにしろと言わず、自ら辞めたら良いだろ?」
「おい柊真! 言い過ぎだ!」
「俺は忙しいんだ!こんなくだらんことで呼び出すな!」と言って太田さんは部屋を出ていった。




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