結婚したくてなにが悪い?!
くだらんこと?…だ⁉
なによ…
私がどんな思いで…この2週間‥過ごしたかなんて知らないくせに…
悲しくて涙が溢れてきた。
そんな私を生田さんは、優しく包み込んでくれた。
「深田」
「すいません…少しだけ…」
「うん。」
生田さんはそのまま、暫く私の為に胸をかしてくれた。
憧れていた、尊敬していた生田さんの胸を、こんな形で借りるなんて不本意だけど…
今は、どうしても堪えることが出来ない。
「深田…もし…君がホテルを辞めると言うなら…僕と結婚して欲しい。」
「え?」
嘘…
生田さんが…
プロポーズ?・・それも私へ
驚いた私は、生田さんの胸を離れ見上げると、今まで見たことの無い、顔をうっすら紅く染めた生田さんがいた。
え…生田さん…?
「君は俺の事嫌い?」
嫌いなわけ無い。
ずっと憧れていた人だもん…
首をふる私を見て生田さんは微笑んでくれた。
「良かった。断られたら、どうしようかと思った…」と言った生田さんの顔が近づいてくる。
「ちょっ、ちょっと待ってください! …少し考えさせて下さい。」
思いもしない展開に驚き、逃げる様に部屋を出ると私はそのまま屋上へと向かった。