結婚したくてなにが悪い?!
「あなたは毎月仕送りしてる様ですが、焼け石に水のようですよ?」
え?…
そんなに…大変なの…?
「どうして貴方がそこまで知ってるんですか?」
「先日、貴女の叔母様にご挨拶させていただきました」
「えっ!?」
「喜ばれてましたよ? これで貴女が幸せになれると?」
「叔母が…?」
「で、差し出がましいと思いましたが、借金の方は僕の方で肩替りさせて頂きました。」
「肩替りってどういう事ですか?」
「まぁ結納金とでも思って頂ければ結構です?」
結納金…?
「僕と結婚して頂けませんか?」
何を急に…
「・・・・」
「貴女が兄を好きなのは知ってます。」
「え?…」
兄って誰の事?
「でも、僕は貴女が欲しい。会社のトップに立つ事はとても孤独なんです。いつ誰に足を掬われるか分かりませんから。代々受け継がれた会社も随分大きくなりすぎました。だからといって僕の代で終わらせる訳にはいきません。会社で孤独だからこそ、家に帰れば体も心も癒してくれる家族が欲しい。」
この人は本気で会社を継ぐつもりでいる。父親である総帥がなんと言おうと…?
「…お気持ちはとても…「良く考えてから返事して下さい。でも、覚えていてください。僕は欲しいものは必ず手に入れます。以前言ったように、貴女を手にいれるためなら何でもする。」
なんでもする…?
その言葉に恐怖を感じるのは気のせいだろうか…
「明日はお休みですよね? 僕に一日付き合って頂けますか?」
「それはバトラーとしてですか?」
「そうですね・・・どちらでも僕は構いませんよ?」
「バトラーとしてならお供いたします。」