結婚したくてなにが悪い?!
翌日、桜花崎様のお供をする為に、休日出勤した。何処へ行くのかと思えば、海だった。
沢山のヨットが並ぶ、ハーバーのカフェで、彼はなにも話さず、ずっと海を見ている。
「わざわざ此処までコーヒーを飲みに来たんですか?」
「僕は、海が好きです。貴女は?」
「特に好きも嫌いもないです。」
「この海は、僕の知らない世界と繋がってる。学生の頃、良くここへ来て日が暮れるまで、ずっと海を見てました。
あの人の居る場所へ繋がるこの海を…」
「あの人?」
「ええ、僕にないもの全てを持ってる兄です。」
「お兄さんの事好きなんですね?」
「いえ、嫌いです!」
え?