結婚したくてなにが悪い?!

「えっ?…お兄さんって・・・もしかして生田さんの事ですか? 生田さんからのプロポーズなら、お断りしましたよ? それに、生田さんが私へ持ってる好意は、貴方が思ってる様なものとは違います。それに私は、ホテルマンを辞めたくありませんから、今は、誰もと結婚出来ません」

「いえ、彼じゃないです。」
え? じゃ誰の事?

「兄の名前は桜花崎冬真です。 貴女の上司の大田です。」

「えっ・・・?」

大田さんが、桜花崎様のお兄さん?
って事は…
総帥の長男が大田さん? ウソ…

「アイツは親父の兄の息子です。 親父とアイツは本来、叔父と甥の関係です。
だから俺が長男で、アイツはなにも関係ない。継承者でもなんでもないんだ!」

「だからって…そんなやり方良くない! 家族で話し合うべきです!」

「話し合う時期は過ぎてます。アイツが俺の前から逃げた時点で終わってるんですよ? だから、アイツから貴女を奪う!」

「奪うって…私は大田さんとはなにも…」
なにもないとは言えない。
体の関係を持った事実はある。だからと言って恋人関係とは違う。
私の気持ちがどうであれ…

「貴女が、僕と結婚してくれるなら、ホテルには二度と手は出さないし、立て替えたお金も返す必要有りません。
なんなら、ホテルだけは彼奴にくれてやっても良い。SAKURA HOTEL はアイツの実の父親が作ったホテルですし、特にあの一号店には思い出があるようですよ?
どうです? 決して悪い条件だとは思いませんが?」

「・・・・」

「今直ぐに返事しろとは言いません。1週間待ちましょう?」

1週間…

「と言っても出来るだけ早く返事下さいね? とても良い買い取り条件を出して下さってる方が居るので、あまりその方を、お待たせしたくないですから?」




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