結婚したくてなにが悪い?!
その日から、夜も眠れず、ずっと悩んでいた。
ホテルマンを辞めたくない。
大田さんの側で働きたい。
パドラーとしてもっと成長したい。
せっかくインターシップの話も来て、これからって時に…
でも…お世話になった、叔母さんを助けたい。
父と母が残したあの店を守りたい。
でも、これは私の身勝手な都合。
私が桜花崎様のプロポーズを断れば、SAKURA HOTELが無くなる。
何千人ものスタッフが路頭に迷う。
大田さんが大事してるホテルが…
一週間後、私は彼の元へ行き、プロポーズを受けた。彼は私の返事を受け安心したのか、翌日には、ホテルを出て本来の仕事へ戻っていった。
ただ、彼のプロポーズを受ける際、私は彼に条件を出した。
1つは、ギリギリまで結婚相手が私だと公表しないでほしいと、言う事。
そしてもう1つは、ギリギリまでホテルマンとして働かせて欲しいと言う事。勿論、大田さんの下でだ。
その2つを条件にプロポーズを受けた。
直ぐに両家の顔合わせを済ませ、1年後の式の準備へと入った。
総帥と彼とは意見の相違がある様だが、私は一切関わらない事にしてる。結婚するまでは、他所の家庭の事だし、会社の事情も訳わからない私が口を挟むべきではないと思うからだ。
ただ、SAKURA HOTELが残れば良いとだけ願っていた。