結婚したくてなにが悪い?!
大田さんの御使いで本社に顔を出したとき、人事の小宮さんに捕まり、ここでも嫌味を言われる。
「あら?深田さんじゃない?本社に何か用かしら?」
「え、ええ。上司に御使いを頼まれたのもですから?」
「あらそう?
ねぇ?王子と結婚するって本当?
新人研修の時は興味ないって言ってたのに?
結局あなたもただの女だったってことかしら?」
「・・・」
「ねぇ王子譲ってよ?あなたあの大田さんとも仲良いらしいわね?」
「・・・」
「そう言えば、あなたインターシップにもエントリーしてるらしいわね?仕事もできてそれ以上何が欲しいの?」
「・・・お客様が待ってますので、これで失礼します。」
今の私があるのは、日々おのれを切磋琢磨した結果。運だけでここ迄来れたんじゃない。
なんど信じていた者に裏切られ、どれだけ一人で涙しことかなんて、あんた達なんかには分からない。
私が全てを持ってるって?
何も知らないくせに勝手なこと言わないで!
私がどれだけ頑張って努力して来たか…
この結婚だって…
私は手を握りしめて、笑顔でいってやる。
「小宮さんの言いたいこと、私も良くわかります。でも、運も実力の内って言いますよね? 悔しかったら、どうぞ奪って下さい? 仕事でも、男でも?」
自分で言ってて、ホント嫌な女だと自分でも思う。
だからこそ、その後も私は死に物狂いに働いた。誰からも後ろ指差されないように。